在外研修制度とは?ウガンダでネリカ米の在外研修に参加した話
ウガンダで在外研修に参加してきました。その様子を記します。
9月の一週目にウガンダを訪れ、稲作の在外研修に参加してきました。
訓練中に話は聞いてあることは知っていたものの、実情がよくわからない制度でした。参加した感想は、隊員にとって、非常にありがたい制度だということです。
私の場合、日本で特に農業の経験が無いままに、コミュニティ開発で農業関連の活動に従事することになりました。今回の研修で、セネガルの農業で直面していた課題へのアプローチの方法が見えてきました。
在外研修制度と研修時の様子についてまとめます。
在外研修制度とは
配属先の同僚や他国のボランティアとともに研修に参加し、活動をより効果的なものにするための制度です。自分の任国(活動先の国)以外でも機会があれば、研修を受けられることができます。
原則として任期中に1回までですが、全てのボランティアが参加しているという訳でもありません。どの分野でも研修はあるようですが、セネガルの場合、農業関連の活動に従事するボランティアに機会が多くあるようです。
まあ参加できるかどうかは、自分の要請とそのとき開催される研修の内容が、うまく巡り合うかどうかという感じです。。今回はセネガル事務所の調整員さんから、ウガンダで稲作研修がある旨の連絡を受け、参加できる運びとなりました。
参加者
セネガルからの参加者は僕とカウンターパートだけでしたが、ほかの国からも多くの隊員が参加していました。モザンビーク、スーダン、マラウイ、カメルーン、ケニアから総勢12名の隊員が参加していました。
それぞれの隊員がカウンターパートを連れてきていたので、研修参加者は合計で24名。なかなかの大所帯でした。
研修内容
研修は合計5日間のスケジュールでした。内容は座学での稲作に関する知識習得から、研修圃場での実習と多岐にわたりました。研修最終日には、ウガンダで実際に稲作普及に携わる隊員の活動現場を視察する機会もありました。
講師は「ミスターネリカ」こと、坪井達史先生。坪井先生のことはもちろん知っていたし、過去に色々と資料も読み漁りました。そんな先生から講義を受け、質問して、回答やアドバイスを頂けるのは本当に贅沢でありがたい時間でした。
研修の中でも特に役立つと感じたのは、播種のポイントや肥料管理など、収量を向上させるための方法について学べたことです。ただ稲を育てるだけなら、セネガルの農家にとっても難しくないかもしれません。
そこに助言をし、価値を出していくことが配属先の仕事なので、収量向上に関する部分は大変参考になりました。
加えて、稲作が盛んではない地域では、収穫後の脱穀の工程が問題となることを再回りして知れたのは助かりました。事前に収穫後のフローを念頭に置いて活動する必要があることを知れたのは大きな学びでした。
やはり長年ネリカ米の普及に携わっているだけあり、アフリカの米事情に精通しておられ、どのお話も非常に的確だと感じました。
今後の進め方
主食のお米を作ることのできないセネガル。農家は貴重な現金収入をやりくりし、米を購入しています。自給できる分だけでも生産できれば、家計の支出が減り、その分を子どもの教育費等に充てることができます。その過程で自分が少しでも携わることができればなあと考えています。
具体的なアクションとしては、帰国後、早速セネガルで活動しているJICAプロジェクトと連絡を取り、稲作農家訪問に同僚とともに同行させてもらいました。本年度はすでに収穫間近のフェーズにあるので引き続きプロジェクトの活動に同行し、地域稲作農家の現状把握に努めます。
来年度はそれを踏まえ、地域内の稲作に関心のある農家を探し、種子提供や研修実施を実施していきたいと考えています。プロジェクトの活動対象に選定されている以外の農家も巻き込んでいけば、より地域内での普及が進むはず。
あたり一面に稲穂が広がる風景が自分の任地でも見れるといいなあ!
さいごに
あまり知られていない青年海外協力隊の在外研修制度について書きました。
たいして農業経験がない僕でしたが、5日間の研修を受けて少なくともセネガルの現地農家よりは知識面では優位に立てたかと思います。また、経験がないだけに、稲作の活動にはしり込みしていた部分もあったので、心理的な壁を取り払うという意味でも、今回の研修は良い契機となりました。
今回学んだことを活かせるように、任地での活動に励んでいきます。