会いに行けるセネガル

国際協力の夢を追いかけてセネガルに来た「元・意識高い系大学生」が、理想と現実の間で奮闘するブログ。

仏語試験DELF B2を受けてきた話

先日、仏語試験DELFのB2級を受験してきました。受験の様子をまとめておきます。

ご無沙汰しています。ブログの更新がだいぶ滞ってしまいました。

セネガルでの日々の出来事、活動のことと色々書きたいことはあったのですが、色々とやるべきこともあり、ブログが後回しになってしまっていました。。

そのひとつがフランス語の勉強。DELF B2を受けると決めた10月の前半から、活動外の時間を使い、準備をしていました。先日、試験を終えたのでその様子を記します。

ひとことで言うと、色々ついてなかった!

受験まで

試験の申し込み

前回のDELFではB1級の試験にめでたく合格しました。今回の試験の申込も、前回B1級を受験したのと同じ語学学校で行うことにしました。

DELFについては過去の記事をどうぞ。

レベル

B2のレベルとしては、高度に自立可能であるとのこと。B1も自立可能でしたが、それよりも自立の度合いが増す模様。

DELF B2レベルでは、使用者はさらに自立の度合いを増し、自分の意見を主張するために筋道の通った議論の流れを作ることができ、自分の見解を展開し、交渉することができます。このレベルの受験者は、社交的な談話の中で流暢に会話を交わし、自分の間違いを自分で修正することができるようになっています。

引用:DELF B2

「議論」「交渉」「流暢」と何やら難しい言葉が並びます。B1の要件が日常生活に対応できることなので、B2のほうが高度なものが求められることがわかります。

ちなみに、受験申込の際に語学学校の担当者から言われたのは

「B1を60点ちょっとで合格する、B2の合格には程遠いよ。」とのお言葉。勉強を進めていくうえで、この言葉の意味を重々理解することになりました。

試験内容と合格基準

試験は聴き取り、読解、作文、口頭試問と4つのパートから構成されています。それぞれのパートが25点満点の100点満点で50点以上で合格。ただし、どのセクションも最低5点以上の得点が必要です。DELF B1と全く同じですね。

有効期限と受験費用

こちらもB1と全く同じ。有効期限なし、受験費用20000FCFAでした。

試験当日

語学学校に着くと、何やらそわそわしている語学学校のスタッフの方々。

「今日は会場が変更になった。受験会場にこれから移動してもらう。」とのこと。

あれ?前回は語学学校が会場だったのに、おかしいなあと思いながらも用意された車に乗り込みました。車を走らせること15分ほど、到着した先は、、、

 

 

 

 

 

 

 

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軍隊の養成学校。(写真はイメージです)

 

軍隊の養成学校の学生さんから大量の応募があり、語学学校のキャパでは受け入れることができなくなったよう。そのため、軍の敷地を借り、一般の受験生も一緒に受験することになったとの経緯でした。

「こんなんありかよ!」とひとり突っ込みながら試験に臨みました。

DELF B2受験の詳細

Compréhension de L'oral(聴き取り)

全2問から構成され、試験時間は約30分間。B1が大問3つだったので、1つ大問が少なくなる代わりに、ひとつひとつの文章量が多くなっています。加えて、1つ目の大問が2回問題文を聞けるのに対し、2つ目の大問は聞けるのが1回のみ。この差は大きい。

今回出題されたテーマはこちら。

  • 各国の教育方針の違い
  • ラジオ番組のトピックス

B1よりも明らかに聞き取りにくい話し方でなされる会話。設問も大部分が記述式。B1のときも聴き取りは難しいと思いましたが、その遥か上をいく難しさでした。あと、教育というテーマが専門外であまり単語もわかりませんでした。

さらに、軍の用意したスピーカーの性能がよろしくない。

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「え?この広い教室でそれでやるの?」と思わせるレベルの代物でした。

大学の講堂のような広い教室で大音量で流すので、聞き取りにくさがすごい。あまり言い訳をしたくはないですが、さすがにこれは運が悪かったです。。ツイてない。

足きりの5点すら穫れてないのでは?と思うくらい不振の出来でした。

Compréhension des Écrits(読解)

2つのテキストを読み、設問に答えます。試験時間は60分間。B1の試験時間が35分間だったので、おおよそ2倍の量のテキストの分量だったように思います。

今回出題されたテーマはこちら。

  • バカンス中にも仕事をする会社員への批評
  • フランスの学校での美術教育の効果についての見解

テーマ自体はどちらも自分にとっての馴染みのあるもの。分量的にも時間内にこなせそうな量だなという見込みでした。読解は得意なので、これは大丈夫と取り組み始めました。しかし、ここでハプニング発生。

 

 

 

 

 

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軍の敷地内で訓練が始まってしまいました。 

 

教室内に響き渡る号令
「イチ・ニー・サン・シー。イチ・ニー・サン・シー。」

「今やってるの設問5やねんけどな」など、どうでもよいことを考えてしまい、集中するのに一苦労でした。やっぱりツイてない。

何とか時間内に終わらせることができ、そこそこ得点できてそうな感触です。

Production Écrite(作文)

1つのテーマについて書く一発勝負。試験時間は60分で最低限記述しないといけない単語数は250だったはず。B1よりも時間、分量ともに増えています。

B1受験時に仏作文の作法がわからずに苦労したので、今回は重点的に勉強しました。調べた限りでは、B2の試験では割とかっちりとした手紙を書かされることが多いそう。模試の問題集の問題を丸暗記して、型をきっちり覚え込む作戦にでました。

暗記したのは「木の伐採の決定に対する、反対を示し、代替案を市長宛てに提示する」というもの。きっちりと覚え込んできたので、自信満々で問題のページをめくりました。出てきたテーマは、

「届いたパソコンが注文したのと違うので、代理店に苦情を書く」

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 いやいや、思てたんと全然違うー!

代理店宛てにめちゃめちゃへりくだった丁寧な手紙を書きあげました。とことんツイてない。想定していないテーマで250字を書き上げるのは、今の僕のフランス語力ではなかなか難しかったです。

Production Oral (口頭試問)

最後は、口頭試験。2枚のカードを引き、その内容に目を通し1枚のカードを選びます。その内容について30分間、回答の準備をしたのち、10分ほどで発表し、面接官からの質問に答えるという内容です。

引いたテーマは「ロボットは人々の雇用を奪うのか?」

セネガルに来て、日本では機械化してしまった仕事が残ってる様子を目にし、日ごろからよく考えていたテーマ。準備時間で考えをまとめます。

「ロボットに奪われる雇用はあるものの、生み出す雇用もある。ロボットを恐れるのではなく、うまく付き合っていくことが大切」という主張を、機械化が進んだ日本の工場、日本の失業率の低さ等を踏まえ話す準備をしました。

そして、意気揚々と面接会場につき、面接官に向かって話し始めます。

しかし、何やら感じる視線。

 

 

 

 

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「え?スナイパーおるん?」

軍服を着た学生たちに面接会場をめっちゃ覗かれてました。実際には銃を構えてはいませんでしたが。

口頭試験の時はちゃんと締め出してほしかった。。最後までついてない。

面接の方は、主張の展開はできましたが、問題はボキャブラリ。10分間のプレゼンをするのはやはり容易ではなく、同じような語彙や平易な語彙を多用してしまいました。この辺は、学のあるフランス語を話すうえで、まだまだ足りないところですね。

受験を終えた感想

今回の合格はさすがに厳しいかなあという印象です。聴き取りと作文の一桁得点がほぼ確実である中、読解と口頭でその借金を返せてるとも思えないので。

B2の難易度や求められている能力は今回受験してざっくりと把握できたので、次回に向けて気を取り直してまた進めるしかないですね。たぶん普通の環境で受験で来ていても、力不足だったように思います。

とりあえず今回は試験会場のおかげで色々ネタができたのでオッケー!日本の受験ではこんなことはないと思いますが、会場選びにはご注意ください。