会いに行けるセネガル

国際協力の夢を追いかけてセネガルに来た「元・意識高い系大学生」が、理想と現実の間で奮闘するブログ。

青年海外協力隊が2年で結果を出すのが難しい5つの理由

協力隊に来る前は、目に見える形で結果が出せるだろうと思っていました。でも、セネガルに来てみて思うのは、それは簡単ではないということ。赴任から5カ月経ち、活動を進めるうえで感じている難しさをまとめました。

1.語学力の不足

まず、一番に苦労しているのは語学の問題です。セネガル公用語はフランス語なので、日本での派遣前研修でフランス語を2か月みっちり勉強してきました。

でも、現地で国語として用いられているのはウォロフ語という民族言語なんです。学校等の教育現場や役所なんかではフランス語が用いられているんですが、僕の普段働いている村落部だとフランス語はほとんど通じません。

ウォロフ語はセネガルに赴任してからの語学研修で2週間ほど勉強しましたが、まだまだ子ども以下の語彙力と語学力しかありません。子ども以下の語学力しかない人間は、どれほど知識や経験があろうとも、子どものようにしか扱ってもらえないと感じます。 

2.仕事内容を自分で考える必要がある

これは要請内容や職種によると思いますが、僕の場合は具体的な仕事内容が定まっていなくて、自分で見つける必要があります。

「地域農家に貢献する」という働く上でのミッションはあるんですが、その方法を具体的に考えるのは基本的にすべて自分。なので、まずは現地の状況調査から始めて、自分で仕事を作る必要があり、赴任直後は方向性がなかなか定まらず苦労しました。 

会社員だったころは、上司から業務を依頼されることが多かったですし、過去にボランティアをした際も、ボランティアセンターから仕事を受けていました。

仕事内容が定まっていないのは、協力隊として活動していく上での、面白さであり、難しさだと日々感じています。

3.活動対象者を自分で探す必要がある

これも村落系隊員の悩みかもしれませんが、明確に活動対象者がいないんです。配属先は農村開発事務所なんですが、事務所は、事務手続きをするところであって、ボランティアを必要としていないし、僕に手伝えることはありません。

僕たちが働く相手は、村の農家さんです。なので、事務所の管轄内の60ほどの村の中から、活動相手となる農家のグループを自分で見つける必要がありました。

必死に連絡先を聞いて、電話して、村に足を運んで、活動相手を探すのは、テレアポや飛び込み営業さながら。この人と活動していくと思える人を探し当てるまでに、かなりの時間がかかりました。 

4.使える予算がない

協力隊は個人で予算は持っていません。活動に必要なものは業務費として申請して購入することができるのですが、青年海外協力隊は技術協力であって、物品を与える支援ではありません。

しかし、活動していると、結果を出すためなら物を買えれば早いのにと思うことが、正直に書くと、ときどきあります。

例えば、活動先の村の農業を振興させるなら、トラクタがあれば一瞬です。僕が運転方法から保守点検の方法などを指導して導入すれば、生産量も向上して、労働力も削減することができます。地域で共有すれば、数年で償却できるだろうし。

それができずに、あるもので何とかしなければならないのは難しさの一つですね。

5.任地では頼れる人が少ない

配属先には、ボランティア自分一人なので、自分で考えた活動は、基本的に自分が主導して一人でやりきる必要があります。

配属先に同僚もいるにはいるんですが、彼らもそれぞれ自分自身の仕事があって、僕のボランティア活動まで、深くコミットしてくれることは難しいです。

例えば、村で野菜の促成栽培をしようと思っても、アドバイスこそもらえても、村に実際に足を運んで栽培の指導するのは自分ひとりです。お金の管理とかが発生しても、自分が講師として教えなければなりませんし、様々な側面で日々勉強して、農家に教えていく必要があります。

これは、先輩に手取り足取り教えてもらっていた会社員時代との違いです。それに、設計なら設計のように自分の職種に特化していればよかったですが、協力隊では、1人でマルチに働いていく必要があるのは、面白くもあり、難しいところです。 

まとめ

5つをまとめて新入社員にたとえてみると、

「新入社員が、語学もできない状況で、事業内容を考えて、取引先を開拓して、
 予算を持たず、自分ひとりで実行して2年間で結果を出す」

くらいのハードモード感ですね。

ただ、これまでの協力隊でも結果を出している人は多くいますし、僕自身も当初は苦労しましたが、半年が経ち何とかなる気がしてきています。

5つ理由を並べて、克服すべきこともわかったので、あとは解決するように物事を運んでいくだけですね。活動も残り1年半ですが、できない理由よりできる理由を探していきます。