会いに行けるセネガル

国際協力の夢を追いかけてセネガルに来た「元・意識高い系大学生」が、理想と現実の間で奮闘するブログ。

青年海外協力隊の活動で「やらない善よりやる偽善」が成り立たない2つの理由とは?

「やらない善よりやる偽善」は青年海外協力隊では、成り立たない場面もあります。
2つのポイントから例を挙げて解説します。

はじめに

「やらない善よりやる偽善」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。

ごちゃごちゃ言って何もしないよりも、例え表面的な善行為であっても何かやった方がいいという意味のようです。

確かにお金を寄付するとか、イベントにボランティアとして参加するなどの場合には「やらない善よりやる偽善」が成り立つと思います。

しかし、2年間途上国で生活し、現地の人と活動する青年海外協力隊では、やらないほうが善な場合もあるように思います。

その理由を2つの観点から説明したいと思います。 

理由1:現地の人々の生活は合理的に回っているということ

任国に赴任した当初は、日本人的な視点から物事を見てしまうので、現地の人の生活が非合理的に見える場面があります。

そうすると、自分の価値観をベースに改善や提案をしたくなるんですけど、現地の人にとって、それが必ずしもプラスになるとはいえません。

例えば、僕の活動相手の農家さんの一日のスケジュールを紹介すると、

  • 7:00 – 12:00    : 農作業
  • 12:00 – 16:30  : お昼休憩
  • 16:30 – 19:30  : 農作業

このように毎日、畑仕事を行っています。

ここで、例えば村の人を対象にワークショップをやりたいとなると、お昼休憩の時間に計画してしまいたくなります。しかし、それは正しい判断とはいえません。

なぜなら、彼らはこの時間で昼寝をし、午後の仕事のために体力を回復するからです。

実際に農作業をしてみてわかったのですが、セネガルの農業は機械を用いずに行うので、かなりの重労働。午前中の仕事が終わるとみんなへとへとです。 

なので、みんなお昼に家に帰るとガッツリお昼寝をします。これはすごく合理的。

そして、お昼寝が終わると、お昼ご飯を食べて、お茶を飲みながらゆっくりとおしゃべりしてから、午後の仕事に向かいます。

ちなみに、このおしゃべりの時間もセネガル人にとってはとても大切。
セネガルの現地語が文字を持たないこともあってか、みんなとにかくよく話す。

日本から来た当初は『無駄な時間』に見えてしまいましたが、今ではその大切さもわかるようになりました。

なので、お昼休憩の時間にボランティアが張り切ってワークショップ等をしてしまうのは、村の人にとっては合理的な時間を奪ってしまうことになります。

現地の人々の行動一つとってみても、どこか合理的な理由があるはず。
そう考えながら、よく観察してからやるのが善だと思います。 

理由2:現地の人は生活がかかっているということ

隊員にとってはひとつの活動であっても、現地の人は生活がかかっています。

仮に何か村の人と一緒に始めたことが失敗したとしても、僕らの生活は変わりません。
固定の額の現地生活費、日本帰国後の積立金が支給されます。

しかし、村の人はもし失敗してしまうと、手元に入るお金はゼロ。
文字通り、僕らの活動に彼らの生活がかかっているのです。

例えば、村の人から希望者を募り、お金を集めて何かの商品開発を始めるとします。
当然商品が売れないリスクはあると思うんですが、それを背負うのは住民です。

なので、マーケットを熟知して、成功を確信するまでやらないのが善だと思います。

愛読しているコトラーの本から紹介しておくと、

・人々はこの製品を必要とするか。

・競合他社の提供物とは異なっており、しかもより良いものだろうか。

・人々は進んで代価を支払うか。

一つでもノーなら始動させるべきではない。

 引用:コトラーのマーケティング・コンセプト

心にささる言葉だと思います。
多分いけるだろうとか、やってみたいという隊員主導の思いでやるのではなく、「しっかり市場を調査したうえでやる」のが善だと思います。

まとめ:青年海外協力隊の活動では観察と責任感が大切。

活動として、何かを始めるのを否定するつもりは全くありません。
何かをするために僕たちは来ているので、考えすぎて何もできなくなってしまっては元も子もないですし。

ただ、始める前によく観察し、責任感を持って行動するべきだと強く思います。

任地の人たちの望んでいるものをしっかりと見極めなければ、それこそ独りよがりな援助になってしまうと思うので。

今はセネガルにきて半年ですが、こちらの事情も十分に把握できているとは言えず、いろいろと小さく試している段階です。

2年間の期間があるのだから、大きなことはじっくり見極めてから。
こうした意識で日々取り組んでいることを紹介しました。

 

アフリカはつらいよ。